1)対応するCPythonバージョンの確認
MATLABから利用するPython環境としては「CPython」が推奨されています。
MATLABがサポートするPythonのバージョンは、MATLABのバージョンによって異なります。
必ず下記の公式サイトで、お使いのMATLABに対応したCPythonのバージョンを確認してください。
2)CPythonのインストール
CPythonは以下の公式サイトからダウンロードできます。ただし、すべてのバージョンのインストーラーが常に提供されているわけではありません。
インストール時には、インストール先のフォルダ(ディレクトリ)が自動的に設定されます。
デフォルトでは以下のようなパスになります:
C:\Users\<ユーザー名>\AppData\Local\Programs\Python
インストール先を変更したい場合は、「Customize installation(カスタマイズインストール)」を選択し、任意の場所(例:C:\Program Files)を指定してください。
3)環境変数Pathへの追加設定
インストール後、以下2つのフォルダのパスを「環境変数Path」に追加する必要があります。
これにより、Python本体(python.exe)やパッケージ管理ツール(pip.exe)がコマンドラインから利用可能になります。
- python.exe:C:\Users\<ユーザー名>\AppData\Local\Programs\Python\Python310
- pip.exe:C:\Users\<ユーザー名>\AppData\Local\Programs\Python\Python310\Scripts
補足
「環境変数Path」とは、Windowsがコマンドを実行する際に参照するフォルダの一覧です。
設定方法が分からない場合は、「Windows 環境変数 Path 設定方法」などで検索してください。
4)MATLABでPython環境の認識を確認
パス設定後、MATLABを再起動してください。
MATLABでは「pyenv」コマンドを使って、Python環境が正しく認識されているか確認できます。
例:
>> pyenv
ans =
PythonEnvironment with properties:
Version: "3.10"
Executable: "C:\Program Files\Python3.10.10\python.EXE"
Library: "C:\Program Files\Python3.10.10\python310.dll"
Home: "C:\Program Files\Python3.10.10"
Status: NotLoaded
ExecutionMode: InProcess
5)MATLABからPythonコードを実行する
MATLAB上でPythonのコードを直接実行するには、「pyrun」コマンドを使います。
例:
>> pyrun(["greeting = 'hello'", "print(greeting)"])
hello
>> str = pyrun("greeting = 'hello'", "greeting")
str =
Python str with no properties.
hello
外部のPythonスクリプトファイル(例:test.py)を実行したい場合は、「pyrunfile」コマンドを使います。
例: test.py の内容
print('Hello World')
import math
print(math.sqrt(9))
実行例:
>> pyrunfile('test.py')
Hello World
3.0
6)Pythonライブラリのインストール
NumPyなどの外部Pythonライブラリを利用したい場合は、「pip」を使ってインストールします。
Windowsのコマンドプロンプトを開き、以下のように実行してください。
注意事項
- 複数バージョンのCPythonを1台のPCにインストールするのは、パス設定の管理が難しく、動作不良の原因になるため推奨されません。
- MATLABのバージョンアップに伴いPythonのバージョンも変更する場合は、古いCPythonをアンインストールしてから新しいバージョンをインストールしてください。
以上が、MATLABからPythonスクリプトを利用するための基本的な手順となります。