MATLABによる衛星通信
概要
MATLAB R2021aの最新オプション「Satellite Communications Toolbox」をご紹介致します。
近年より身近になり拡大している宇宙ビジネスにおいて最も重要なインフラである人工衛星は無線通信無くして利用できません。この特殊な環境で用いる無線通信は人工衛星を打上げる前に実施できる検証は制限があるため、開発時の計算機シミュレーションは非常に重要です。
開発後においても、予期せぬ振る舞いの原因究明や補正には、開発時に使用したシミュレータが威力を発揮します。
Satellite Communications Toolboxを用いることで、人工衛星との通信における軌道上の位置関係によるRFレベル及びリンクレベルのシミュレーション、GPSやDVB-S2/SXなどの波形発生、そして実装用のC/C++コード生成を行うことが可能です。
ハイライト
- 人工衛星の軌道シナリオの解析と表示
- 地上または複数の人工衛星間のリンクシミュレーション
- RFリンクバジェット解析
- CCSDS, Telecommand, Telemetry, DVB-S2/SX, GPS波形生成
- リンクレベルシミュレーション
- 組込実装用C/C++コード自動生成
講演者について
田中 明美 MathWorks のシニアアプリケーションエンジニアとして、特に通信システム、信号処理、画像処理、およびHDLの実装に注力し電子情報通信学会/スマート無線研究会(SR)の幹事補佐も務める。
MathWorks入社前は、セルラーシステムのLSI/FPGAの設計をしており、当時世界初の機能を実装した経験などを持つ。また、書籍「MATLAB/Simulinkとモデルベース設計による2足歩行ロボット・シミュレーション」の著者の一人でもある。
録画: 2021 年 5 月 19 日